歯ぐきを切らない「フラップレスインプラント」

フラップレス術式のインプラント治療は、歯肉を切らずに行う無切開手術の方法です。当院では、CT撮影や3Dコンピューターシミュレーションを用いて、最適なインプラント埋入ポジションを確定し、手術用ガイドを使用するガイデッドサージェリーを採用しています。
この方法により、歯ぐきを切ることなく、小さな穴を開けてインプラントを埋入できます。
この治療法の利点は、低侵襲であることです。手術中や治癒期間中の痛み、腫れ、出血がほとんどなく、負担が少ない治療法です。
フラップレスインプラントの適用条件
フラップレス法は負担が少ないインプラント治療法ですが、適用できるケースは限られています。以下の条件をすべて満たす方のみが、この治療を受けることができます。
- 顎の骨が十分に存在する
- インプラントを埋入しても1.5mm以上の骨壁が確保される
- インプラント周囲に十分な量の健康な歯肉が存在する
- 口腔衛生状態が良好である
- 開口障害がない
- デンタルCTによるシミュレーションに成功した
抜歯即時インプラントでもフラップレスが可能
当院では、抜歯後すぐにインプラントを埋め込む「抜歯即時インプラント」も行っています。条件を満たしていれば、抜歯即時インプラントでもフラップレス手術が可能です。
フラップレス手術を行うための主な条件は以下のとおりです。
- 抜いた穴の表側の骨が十分に残っている
- 抜いた歯に感染病巣が存在しない
フラップレスインプラントのメリット
痛みや腫れ、出血が少ない
歯茎を切らないため、傷口が最小限に抑えられ、痛みや腫れ、出血も少なくなります。そのため、基礎疾患を持つ方でもリスクを最小限に抑えられます。
また、腫れが少ないため、手術を受けたことを周囲に気づかれることもありません。
手術時間が短い
切開や剥離、縫合のステップが不要なため、手術時間が短縮されます。これにより、身体的な負担や精神的なストレスが軽減されます。
安全性が高い
切開を行わないことで出血のリスクが低減され、細菌感染のリスクも抑えられます。
さらに、サージカルガイドを使用することで、理想的な位置にインプラントを埋め込むことができ、顎の骨内の神経や血管を傷つけるリスクも最小限に抑えられます。
すぐに噛むことが可能
従来の方法では、インプラント埋め込み後に数ヶ月待たなければなりませんでしたが、フラップレス手術では、手術当日から仮歯を入れて噛むことができます。
歯茎が下がりにくい
歯茎を切開しないため、歯茎が下がるリスクが低く、審美的な仕上がりが期待できます。
フラップレスインプラントの注意点
治療費が高くなることがある
フラップレス手術では、サージカルガイドを使用するため、より高度な技術や機器が必要となります。そのため、通常の手術よりも治療費が高くなることがあります。
適応症例が限られている
骨や歯茎の状態によっては、フラップレス手術が適用できない場合があります。また、口があまり開きづらい方にも適用できないことがあります。